Cookie規制が進む中、広告計測の精度をどう維持・改善していくかは、すべてのマーケティング担当者にとって大きな課題です。 特にSafariのITPやiOSのトラッキング制限強化により、従来のクライアントサイド計測ではコンバージョンが欠損しやすくなっています。 DataDigでは、この課題に対し「サーバーサイドGTM(Server-side Google Tag Manager)」を中心に、Google・Meta・Yahoo・LINE・TikTok・Pinterestなど主要プラットフォーム9種類のコンバージョンAPI(CAPI)構築・運用を包括的に支援しています。
■目次
第5章:専門パートナーDataDigと築く「攻めのプライバシー基盤」
サーバーサイドGTM(Server-side Google Tag Manager)は、従来の「ブラウザ上で動くタグ管理(クライアントサイドGTM)」の課題を解消し、計測の安定性・セキュリティ・パフォーマンスを高める新しいタグ実行方式です。
JavaScriptで発行されるCookieはITPの対象となり、有効期間が最大7日(Safari 17では24時間)に短縮。アトリビューションが分断され、再訪計測が困難に。
イベント送信がブラウザベースで行われるため、トラッキング防止機能などによりコンバージョン欠損が発生。
複数の媒体タグがそれぞれ独自にデータを送信するため、プライバシー制御が難しくなる。
多数のJavascript計測タグがブラウザのメインスレッドで実行されるためリソースを占有し、ページの表示速度(Core Web Vitals)を悪化させます。結果としてユーザー体験の低下や離脱率の増加に繋がります。
💡 サーバーサイドGTMの仕組み
これらの課題を解決するために、ユーザーのブラウザから送られた計測データを一度、御社専用のサーバーコンテナ(例: tag.example.com)で受け取ります。このサーバーはGoogle Cloud(Cloud Runなど)上に構築され、御社ドメイン配下で動作します。
サーバーサイドGTMは、以下の「中継・整流」の役割を担います。
🚩ブラウザに対して Set-Cookie ヘッダーを返し、ファーストパーティCookieを発行
サーバーから返すファーストパーティCookieは、ITPの制限対象外(HttpOnly / Secureフラグ付与を推奨)。より長期的で安定したユーザー識別が可能になります。
サーバー側で個人データをハッシュ化したり、送信先ごとにデータをフィルタリング。プライバシー保護と法令順守を両立しながら、媒体ごとのデータ制御が容易になります。
タグ実行をブラウザからサーバーにオフロードすることで、メインスレッドの負荷を軽減。ページ表示速度やCore Web Vitalsの改善にも寄与します。
🔗 さらに進化する:GA4・CAPI連携の基盤として
サーバーサイドGTMは、それ自体がデータを貯める仕組みではなく、「信頼できるデータを正確に渡すための中継レイヤー」です。GA4イベントデータやファーストパーティCookie情報を安全に統合・送信することで、Google AdsやMeta CAPIのコンバージョン補完、ファーストパーティデータを活用した最適化といった、次世代のマーケティング基盤を支える中心的な存在になります。
💡DataDigが考えるサーバサイドGTMの本質
サーバーサイドGTMの本質は、単なるITP対策やタグ移行ではなく、「データの流れを自社で制御できる構造を持つこと」にあります。従来、ユーザーデータの送信はブラウザに依存しており、Cookie制限やネットワーク遮断の影響を大きく受けていました。 一方、サーバーサイドGTMでは、データの中継点を自社ドメイン配下のサーバーに置くことで、どのデータをどの媒体に送るか、どの識別子を利用するか、といったデータ転送ポリシーを自社の意図で設計・制御できます。 つまり、サーバーサイドGTMは「データをためる場所」ではなく、“どのようにデータを外部に出すか”を管理するゲートウェイと言えます。この仕組みを導入することで、プライバシー保護と広告効果計測を両立する新しいマーケティング基盤が実現します。
DataDigでは、Google Cloudのネイティブサービスを活用し、エンタープライズ水準の耐障害性・可観測性を備えた構成を標準で提供します。
御社専用ドメイン(例: tag.example.com)へのリクエストを受け付け、世界中のエッジロケーションでSSL終端・負荷分散を実施。Google-managed SSL証明書による自動更新にも対応し、低遅延かつ高可用な通信を実現します。
URLパスに基づいたルーティングを制御。複数の環境を1つのロードバランサーで安全に運用するなど、柔軟なトラフィック管理を可能にします。
コンテナ化されたサーバサイドGTMを、フルマネージドのサーバーレス環境で実行。トラフィックに応じてゼロスケールから自動でスケールアウトし、コスト効率とパフォーマンスを両立。フルマネージドプランでは、DataDigがコンテナイメージのバージョン管理や最適化も担当します。
全てのリクエストログをリアルタイムで集約し、HTTP 5xxエラー率、レスポンス遅延、各媒体へのPOST成功率などを可視化し、異常発生時にはSlack等へ自動でアラートを通知します。
また、ご希望に応じてSQLインジェクションなどL7攻撃から保護する Cloud Armor (WAF)、データ越境・不正持ち出しを防ぐ VPC Service Controls、暗号鍵を一元管理する KMS など、高度なセキュリティコンポーネントも組み込み可能です。
DataDigがGoogle Cloudアカウントの提供から構築・保守・監視まで一括で管理。Cloud Runコンテナのバージョン管理やプロアクティブな障害対応も弊社が実施します。
お客様が契約するGoogle Cloud上に構築し、保守は自社で運用いただきます。IAM、VPCネットワーキング、コンテナデプロイメントに関する専門知識が求められます。
項目 | 効果 |
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📈 マーケティングパフォーマンス向上 | クロスセッションアトリビューションを回復し、CPA・ROASの精度を高める。 |
🚀 広告AI学習の最適化 | ハッシュ化済みの1st Partyデータを送信し、EMQ(Event Match Quality)を改善。 |
🔐 データガバナンス強化 | サーバーサイドでPIIをハッシュ化し、GDPR・個人情報保護法に対応 |
⚙️ サイトパフォーマンス改善 | クライアント側のJSタグを削減し、LCP・TTFB改善に寄与 |
サーバサイドGTMの導入は、単に「タグをサーバーに置く」作業ではありません。
DataDigは、これら3領域を横断する専門チームにより、企業の計測基盤を安全かつ戦略的に再構築します。お客様は技術的な複雑さを意識することなく、成果と戦略に集中できる環境を手にできます。
💡まずはお気軽にご相談ください
サーバーサイドGTMの導入は、単なる技術構築ではなく、自社データをどう活かすかという戦略設計そのものです。 DataDigは、GA4を中心としたデータ活用設計から、各プラットフォームCAPIの技術検証まで、伴走型でご支援します。御社の現状や課題に合わせた最適な導入構成を一緒に検討いたします。ぜひお気軽にご相談ください。